
Namu Choi, "A Garden Pool", 2025
Curation Note
Alpha Contemporary は、2025 年の アートフェア アジア福岡にて『The Waves, 2025』を発表する。本展は、ヴァージニア・ウルフの小説『The Waves』に着想を得て、現代の女性作家たちが経験する感覚の揺らぎ、視点の変化、そして関係性の中で形成される情動の流れを、視覚言語として探究するものである。
「それぞれの波は、幾重もの朝の光を運んでくる。」
— ヴァージニア・ウルフ『波』
複数の声と内面的リズムによって一つの流れを生み出すウルフの構造にならい、本展は、異なる表現形式と視点をもつ作家たちの作品が交差することで形成される感覚的な構造に焦点を当てる。
ナカバヤシアリサは植物や人物の形象を通して現代社会における女性の感覚を描き出し、チョ・ヒョンソンは絵画の構造を解体・再構築することで時間性と変奏の可能性を探る。戸田沙也加は相反する要素が共存する人物像を通じて、ジェンダーとアイデンティティの境界を繊細に可視化する。
彼女たちの作品は、単一の意味や固定された物語へと収束することはない。むしろ、にじみ、反復、リズム、衝突といった絵画的要素を通して、絶えず変化する感覚の状態を提示している。
《The Waves, 2025》は、こうした作品群を通して、現代の女性作家たちが世界を認識し、応答するあり方をひとつの流れとして示す。鑑賞者はその流れの中で自身の視線と感覚を重ね合わせ、多層的な解釈と体験の可能性に向き合うことになる。
参加アーティスト紹介
ナカバヤシアリサ(Japanese b.1992)
ナカバヤシの絵画は、植物や人物のモチーフを通じて現代日本社会を女性の視点から描き出します。大胆な筆致と鮮烈な色彩のコントラストは、具象と抽象の境界を曖昧にし、感情に訴えかけるドラマティックな画面を作り出します。
ジョ・ヒョンソン(Korean b.1981)
ジョ・ヒョンソンは、絵画の構造的な枠組みの中でその言語を新たに調律する実践を続けています。過去の作品の痕跡を切り取り再構成するプロセスを通じて抽象と絵画の条件を探究し、音楽的リズムの構造を応用したシリーズによって絵画の時間性と変奏を実験しています。
戸田沙也加(Japanese b.1988)
美しさと隣り合わせにある醜さの世界観を、主に少女や動物のかたちを通じて絵画として描き出しています。
今回は大学時代に制作した〈Where Beauty Resides〉シリーズを再構成。美しさと醜さ、弱さと強さ、男性性と女性性といった両極の要素が内包された両義的な存在として表現しています。
日本におけるジェンダーをめぐる社会的な問いを繊細に映し出す本作のシリーズは、タカハシ・コレクションにも所蔵されています。
2025 年 9 月 10 日、現在、戸田は横浜美術館での「アーティストとひらく 戸田沙也加展 沈黙と花」に参加しております。
■展示概要
・会期|2025. 9. 25 - 9.28
・会場|マリンメッセ福岡B館 福岡県福岡市博多区沖浜町2-1
・スケジュール l
VIP View
9/25(木) 13:00 - 19:00
Public View
9/26(金) 11:00 - 19:00
9/27(土) 11:00 - 19:00
9/28(日) 11:00 - 18:00
・作品リストなどお問い合わせ|infoalphacontemporary@gmail.com
Works


Hyun-sun Jo "Phrase_Between The Curves ", 2025
Hyun-sun Jo "Phrase_Between The Curves Ⅱ", 2025


Arisa Nakabayashi, "Untitled: This Side of The River 2025 #1", 2025
Arisa Nakabayashi, "Untitled: Connecting", 2025

Sayaka Toda, "Where beauty resides #1", 2010-2025

Sayaka Toda, "Where beauty resides #4", 2010-2025
