Curation Note
Alpha Contemporary は、2025年5月17日から5月31日まで、『植物に関するすべて:ナカバヤシアリサ、ナム・チョイ、キム・ミロ』を開催する。
本展は、韓国と日本の3人の女性作家のユニークな視点から植物をテーマにした作品を展示する。
3人の作家が様々な態度と技法で試みる「植物に関するすべて」は、私たちの周りにある植物を別の視点で発見させ、環境に反応する植物のペルソナを通して人生を比喩したり、自然を用いて人間の心理を様々なスペクトルで見ることができる作品を紹介する。
ナカバヤシアリサ(Japanese b.1992)は植物をモチーフに描いているが、彼女の作品の主人公は植物ではなく人間である。
枝が不自然に切り倒された街路樹、人間の基準によって在来種と外来種に分けられた植物など、ナカバヤシはこのような苦しい状況に置かれた植物の体を借りて、私たちの社会で抑圧され、苦しんでいる苦しみを植物の視点、あるいはその植物を見る視点に転換させ、共感を呼び起こす。
素早いストロークとにじみ、大胆な色彩は感情の揺らぎを感じさせ、特に補色のコントラストはお互いを強化し、作品を見る没入感と集中力を高める。また、ナカバヤシの画面では、部分的な視点と全体に対する視点が共存する多層的な風景が描かれており、植物になった語り手の視点と植物を見る視点が重なる画面が興味深い。
ナカバヤシアリサは2017年多摩美術大学油画専攻を卒業後、東京を中心に精力的に活動している。2024年には東京オペラシティ アートギャラリーの若手アーティスト支援プロジェクトである「project N」に選出され、同ミュージアムのコリドールで個展を開催するなど、注目を集めている。
ナム・チョイ(Korean b.1978) は、周囲の環境の変化に反応する人間の心的風景を植物を通して描いた作品を紹介する。
自身の日常で感じる孤立感、不安、未知への憧れ、強い肯定感などの心象風景を、原色を中心とした独自の色彩と繊細でダイナミックな画面構成で植物を表現する。
環境に反応して形成された植物の様々なペルソナを印象的な画面に収める。植物の外と内、静と動、利点と毒性など、多層的な植物のペルソナを通して人間の内面の姿を比喩する。
ナム・チョイは2001年ソウル大学美術大学西洋画科を卒業し、2004年ソウル大学美術大学院西洋画科版画専攻を卒業した。現在は東京を拠点に、ソウル、東京、ニューヨーク、サンフランシスコなどで個展やアートフェアなどに参加し、精力的な作品活動を行っている。また、2024年に原作で参加したNetflixの話題作「誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる」が世界的に大ヒットするなど、活動の場を広げている。
キム・ミロ (Korean b.1975) は、一つの版型をエッチングやドライポイント、シルクスクリーンなど様々な技法で取ったした後、それを再び画面に重ね合わせるコラージュ技法で作品を制作する。このように複数のイメージを画面に貼り付けながら構成していく過程を通じて、一つの対象に対して様々な視点が交差し、すれ違い、重なり合う現象を絵画的に表現する。
今回の展示でキム・ミロは、私たちの周りでよく見かける植物をモチーフにした作品を紹介するが、単に植物の姿だけでなく、植物を通して自分の過去の記憶や経験、そして揺れ動く心理的状態を複雑かつ繊細に、そして感覚的に表現している。
キム・ミロは2001年に弘益大学美術大学版画科を卒業し、2003年にソウル大学大学院洋画科版画専攻を卒業した。ソウルやL.A.などで個展を開催し、2012年第1回エトロ美術大賞金賞を受賞するなど、活発な活動を展開している。
CV Download
Arisa Nakabayashi (JPN)
Namu Choi (JPN)
Miro Kim (ENG)
■展示概要
期間|2025年5月17日(土)~ 5月31日(土)
時間|水曜日・土曜日12時~18時(日・月・祝祭日休館)
※火曜日:前日18時までにメールで事前予約制
会場|Alpha Contemporary 東京都港区三田2-13-9 三田東門ビル8F
お問い合わせ|infoalphacontemporary@gmail.com
■5月17日、オープニング イベント
□レセプション|12:00-18:00 ※好きなお時間にお越しください。
□アーティストトーク by ナカバヤシアリサ、ナム・チョイ|14:00-15:00
□特別ワークショップ|12:00-18:00
※参加費: 3300円 (ベジフルビネガー、腸タイプ診断付き)
※好きなお時間にお越しください。14:00-15:00は、アーティストトークをお聞きいただきます。
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Works

Arisa Nakayabashi, "包む", 2023

Arisa Nakayabashi, "Kiyoshima Apartment #02", 2025

Namu Choi,"私のコウモリ蘭" , 2025

Namu Choi,"私のラビットフットファーン" , 2025

Miro Kim,"Graphite Plants" , 2024

Miro Kim,"Black, Flower" , 2025